98 セオリー、崩れる休日

仕事のある日はまた仕事かと思い、仕事のない日は仕事してないとダメだと思う。

少し滅入りそうな時には体を動かすようにしている。運動しているというわけではない。一つ所にいないということだ。そうすれば大抵気分もすっきりとするもんだ。

そして休日。しようと思っていたあれやこれやは悉くおじゃんになり、残ったものは食材の買い出しと支払いのみという実に生活に密着したもののみとなっていた。

やっぱり休みの日は非日常に身を委ねたい。

動け動け!
買い物に行ったその足でどこか気が晴れるようなところに出かけよう。

買い物をしながらどこに行きたいのか自分に問いかけてみる。以前だと誰もいないようなところばかり思いつくのだが、なぜかこの頃は人の多いところを思いつく。

海を見に行ってもいいな。高いところに上るのもいい。

だが具体的な場所が思いつくとそれはまずいと思い始め、思い始めた途端動けなくなった。

家に帰ろう。どうせ今日は雲も多い。

そして眠った。起きると少しすっきりしていた。

そうだ。本当は次の休み前日に行こうと思っていたいつものバーに行こう。

動いて解消するセオリーは崩れたのだが、新しい方法を手に入れた気がした。ややもすると寝不足が滅入る原因だったのかもしれないのだが。