222 ようこそここへ

しあわせの青い鳥。

二人で散歩に出掛けた。公園にはお年寄りが目立つ。立ち止まって水辺を見ていた老婦人に声を掛けられた。例のごとく俺は耳が悪いせいで聞き取れなかったが何を言っているのかはすぐにわかった。

カワセミがいるよ」

目を向けると確かに青い鳥がそこにいた。ずっと会ってなかった。

なんだかすごく意味のあるようなことに思えてしばらく見ていた。カワセミは飛び去り老婦人にお礼を言わなくてはいられない気持ちになった。

「ありがとうございます」

こんなふうにちょっぴりのほっこり感を残せる鳥はやはりしあわせの鳥なんだと思った。

今までは俺の幸せの鳥だと思ってはいたが、今回のことでふたりのしあわせの鳥になったんだ。