154 衣替え

とうとう俺がやることに。

衣替えの季節である。今年は自分の分をさっさと終わらせて親父様の分をデイサービスに行っている間やってしまおうと決めた。

昨年秋の分までは自分でやってもらっていた。(無論、手伝いは必要だった)まだきっとできるとは思うのだが、弊害が大きくなってきたから俺の方で済ませてしまった。

その弊害とは自分でやるとそこに意識が行くからかどうなのか季節が過ぎてもまた引っ張り出して着ていることがあるというもの。ひどい時は7月に半纏を着ていたこともある。

親父様、小脳の梗塞もしているから温度感覚が違うと思えることがよくある。そのくせ暑いだの寒いだの言っているから「脱げば」「着れば」の繰り返し。

そこで俺が冬物はしまうことにした。梅雨寒も考えられるから少し厚手のものを残してっかっちりしまえる収納ケースに収めた。

それだけならほんの半日くらいで終わる作業。だがそれだけでは済まなかった。先入観なのかもしれないのだが匂いがどの衣服にもついてしまっている。洗濯からしないとダメだと思った。

冬物は嵩張る。洗濯機の容量はそれほどではないから何回も回すことになる。そうこう言っているうちに干場のスペースがなくなる。幸い洗濯日和の日だったからよかったようなものの乾いたら次の洗濯物に場所を譲るという作業も必要だった。

これだけのことをいない間に済ませようとするから少し手間がかかった。制限時間は7時間である。また、天気のいい日が続くとも限らないし、デイサービスは2日連続のことはないから1日でやってしまうのが良いのである。

というのもその家にいる1日で片付けたものが途中だと元の木阿弥になるからだ。

そんなこんなで1日かけた衣替えは終わった。

毛布も洗濯できどちらを使ってもいいようにタオルケットも出しておいた。

親父様帰宅。

自分のベッドを見てまず発した言葉は「これ(タオルケットのことと思われる)どうやって使うんだ?」だった。

とにもかくにも晴れてよかった。やってもらうよりもすっきりとした気分になった。