155 帰り道、空の樹が見える丘で

やはり5月はバイクに乗るには最高の時期である。

バイクに跨って畑に行く日課はまだ続く。(原付だが)今の時期は風を感じながら走るのにちょうどいい。

本日は刈った草を堆肥置き場まで持っていく仕事。刈ったまま放置したのは面倒くさいからではない。放置すると枯れて草が軽くなるからだ。終わってみて地面が現れると少し畑らしくなった(ような気がする)すっかり心地よい汗をかく。

帰り道、畑のすぐ近くの公園の高台に行ってみることにした。遠くの高い樹が見えるという文句にずっと本当かどうか確かめたかったのだ。だが、生憎の曇り空。さてはてどんなもんだろう。

変電所が近くにあるせいで鉄塔がいくつも立っているのは見えた。だが高い樹はどれなのかわからない。運よく説明書きを見つけた。大きく息を吸い込んでその方向を見てみるとぼんやりと見えた。これが、多分いつも見ているだろう高い樹なんだろうと少し身近に感じた。(だが、ややもすると心眼で見たのかもしれぬ)

高い樹は近くで見ることもある。大抵は高速に乗った時でその樹を横目で見ながら存在を感じている。

今度は晴れ渡った日に来てみよう。

さて、昼飯作らなくちゃ。こんな所で同じものを見ることができるという幸せを感じながら再び風を受けて走り出した。