145 役に立つかどうかは別にして

今、直面している人にも。これから直面するであろう人にも。

現在、親父と二人暮らしである。そして、認めたくない部分ではあるがそれは前職を退く一因にもなっているのだと思う。

同居を始めて6年が経つ。それまでは互いに一人暮らしだった。それが親父の胸椎骨折を機に同居に踏み切った。妹がいるが、彼女は母の介護で嫁に行った身で頑張った。これ以上負担は掛けたくなかった。(実際母の介護の方が大変だったはずである)

同居をするにあたりしなければならないことはたくさんあった。例えば、身体の状況をつかんでおくこともまた一つ。そして住んでいた家の始末もその一つだった。

身体の状況は骨折以外には小脳の梗塞を患ったことがあるという情報しかなかった。それ以外には本人の弁に頼らざるを得ないほど通院歴がわかるものが残っていない。そこでまず受診をした。

糖尿があるかもしれないと思っていたのだが、結果はそれ以上で癌がみつかった。(これについてはその部位の癌で死に至る症例が少ないのとマーカー値がかなり低いところで推移しているから少し気は楽かもしれない)

次には家の始末。俺も母が亡くなってからあまり寄り付かなかったのだが、骨折の時にはもうすでにひどい有様だった。そして、上物は父名義だが土地は借りている。それとプラスアルファで前職最後の夏の休みはそれに終始した。長い間住んでいないといっても19まで育った場所だ。さすがに取り壊すところは見ることができなかった。

そんな状況で介護の生活が始まった。(つづく)