219 そういうことは俺から言わんとな

今日は腕を振るって料理を作り宅配で出した。

緊急事態宣言が出てから何が変わったということもなく、過ごしているつもりでいた。だが、たった一つ違うことがあった。そう、数日前から気に掛けていた案件はギリギリまで答えは出さないでおこうと話し合っていたのだった。

勘のいい人は気づかれていると思うが、二人が会うのに新幹線を使う。遠距離なのだ。しかし世が世だから今回は会えないことも想定していた。

LINEでの会話でそれはあちらから提案された。苦渋の選択であることがにじみ出ている。結果二人のお互いのためにも今回は見送ろうということになった。それはそれで納得ができる。だが・・・。

 

何故俺から言い出してあげられなかったのだろうかと今は少し後悔している。俺は俺でそれを言うことで冷めてきたと思われるのがただただ怖かったのだろうと考えている。

そんなことを考えながらもいつもと変わらぬLINEでのやり取りにホッとする。そういう存在なんだな。つくづく感謝せずにはいられない。

ところでここのところ宅配合戦が続いている。最初はあちらから。甘いものにも目がないことを知られているため送られてきたのはチョコレート。俺はそれに対し故郷の銘菓をお返しした。

間を置かず送られてきたのは薬用の美容液。これはいまだ頭皮があれていることを心配してのことである。心遣いがとても嬉しい。

そして今日俺はいつもの調子で料理をしそれを送った。こんな状況下でも運んでくれる宅配業者には畏敬の念を払いたい。

食べて疲れを癒してもらいたい。少しオーバーワークのように感じているから・・・。そんな気持ちを込めて春を満喫できるものを送った。

218 余裕をもっていたにもかかわらず俺は急がずにはいられなかった

タクシーの運ちゃんが天使に見えた(笑)

いよいよ会えるという当日、俺は仕事を早めに切り上げてタクシーを呼んだ。しかし、なかなかそのタクシーは現れない。余裕をもっての出発だったが、キリのいい時刻に最寄り駅を出るその電車に俺は乗りたかった。予想よりも10分ほど遅れてそのタクシーは来た。自分の車で行くならば間に合うかどうかギリギリのラインだった。

するとしょっぱなから車の混雑、早々に諦めかけて乗りたかった時刻の電車を運転手に告げる。すると運転手飛ばす飛ばす。間に合うようにしてくれている。車の混雑がしょっぱなの1か所だけだったのも幸いしたが、結局、時刻よりも余裕をもって到着できた。

 

グリーン車に乗る手配までできる余裕ぶりだった。

東京駅でかなりの時間を有することとなったが、弁当を買ったり、一服したりして列車の到着を待った。間違えて乗りさえしなければあとは確実に俺を運んでくれる。乗る新幹線の列車が到着すると何度も間違いがないかを確かめる。

やがて列車は発車する。俺は弁当を広げ食べ始める。もう夜だから山側の窓際に座っても富士山は見えないなと思いながら・・・。

すべて順調に来た。しかしそれよりも早く俺のこころは到着駅にいたのだと思う。


人通りが少ない夜の道で早く手をつなぎたかった。

217 離れていても

遠く西の空を想う。
今日の空はどんなだろうか。

春の味覚を満たしたくて菜の花の辛子和えなど作ってみる。ほろ苦さ、これが春の味。また一つ、食べてもらいたいものが増えた。

すぐにそんなことを話したくなる。実行する。


ぐんと距離が近くなる。

それじゃあ、また新しいレシピを手に入れようか・・・。

そういえば、大葉を巻いたつくねは旨かったな。優しい味がした。旨いもんが並ぶところで食べた何よりも記憶に残ってる。