219 そういうことは俺から言わんとな

今日は腕を振るって料理を作り宅配で出した。

緊急事態宣言が出てから何が変わったということもなく、過ごしているつもりでいた。だが、たった一つ違うことがあった。そう、数日前から気に掛けていた案件はギリギリまで答えは出さないでおこうと話し合っていたのだった。

勘のいい人は気づかれていると思うが、二人が会うのに新幹線を使う。遠距離なのだ。しかし世が世だから今回は会えないことも想定していた。

LINEでの会話でそれはあちらから提案された。苦渋の選択であることがにじみ出ている。結果二人のお互いのためにも今回は見送ろうということになった。それはそれで納得ができる。だが・・・。

 

何故俺から言い出してあげられなかったのだろうかと今は少し後悔している。俺は俺でそれを言うことで冷めてきたと思われるのがただただ怖かったのだろうと考えている。

そんなことを考えながらもいつもと変わらぬLINEでのやり取りにホッとする。そういう存在なんだな。つくづく感謝せずにはいられない。

ところでここのところ宅配合戦が続いている。最初はあちらから。甘いものにも目がないことを知られているため送られてきたのはチョコレート。俺はそれに対し故郷の銘菓をお返しした。

間を置かず送られてきたのは薬用の美容液。これはいまだ頭皮があれていることを心配してのことである。心遣いがとても嬉しい。

そして今日俺はいつもの調子で料理をしそれを送った。こんな状況下でも運んでくれる宅配業者には畏敬の念を払いたい。

食べて疲れを癒してもらいたい。少しオーバーワークのように感じているから・・・。そんな気持ちを込めて春を満喫できるものを送った。