216 生まれたままがいいですよ(後編)

春一番が吹いたな。

さて後編である。前編では自分の体を改変することについての抵抗感があることを書いた。しかし、それだけでは済まないのである。

つまりは俺の相手にもそれを求めているところがあるんだな。よくアプリなんかでもネックレスなんかが見えるともういいですとなるし、入れ墨なんかがあれば(タトゥーを含む)その先は読み進めない。茶髪も少しだめかもしれない。

そんなある日。それはオフ会があるというその日。俺は新宿でその人と会った。お茶をしてまあその先は言わずもがなだ。
シャワーを浴びる段になって初めてその人の生まれたまんまの姿を見た。そしたら体のあちこちにジュエリー系のシールの装飾が施されていた。

もう駄目である。

ただ謝ってその場を後にした。申し訳なかったが、チェックの行き届かないところでそうなっていたのは想像だにできず、また経験の浅さからそういう行動をとらざるを得なかった。

オフ会で口が重かったのはそのせいもあったかもしれぬ。
苦い思い出である。

やっぱ、生まれたまんまがいいですな。