191 夏の次には晩夏がある

花火は夏の終わりを感じさせるものだった。

この街が好きな理由の一つにに毎年の花火がある。今年もまたその時がやってきた。花火の音と共にサンダル履きで飛び出す。(今年は虫よけスプレーを忘れなかった)そんなことも今年で最後なのかなあなどと思いながら。

この日を境に俺の中では晩夏という季節に変わる。

相変わらず花火を画像に収めるも満足のいくものは一つも撮れなかった。まあ、いいのだ。今年も見たのだというしるしが残れば。

花火の音がまだしている中メッセージに気付く。いつもならエロい会話にすぐ移行するもののそうならないように努めてみた。彼も気付いたと思う。正直に今の気持ちを話し終わりにした。侘しさが残る中、最後の彼は「漢」だった。エゴだがまた一緒に酒を酌み交わしたいものだと思った。

端末を置くといつの間にかいつもの夜の静けさに戻っていた。