190 幸あれ!

それは突然にやってくる。

財布を落とした。カード類免許証など一切合切入ったやつ。職場で気付き最初は家に置いてきただけだろうと高をくくっていた。が、ないのだ。どこを探しても。探せば探すほど「あるはずだ」が膨らんできてもう血眼。やっとないのだと決定事項になった時は激しく脱力した。

もう一度行動を振り返ってみる。休憩時間にコンビニに寄って飲み物と弁当を買った。そして家に戻った。その間、確かにバッグに財布を戻した記憶がない。だとすると・・・。

ダメ元で電話を掛けてみる。すると・・・預かっていると言う。

丁寧にお礼を言って受け取る。拾った人は誰なのかは分からなかった。

そして財布は・・・手から離れたときのままの状態で戻ってきた。なんともありがたい。

拾った人が誰なのか分からないのだが、「幸多かれ」と祈らずにはいられない。

前回、親父殿が財布を落とした時には家のエアコンの室外機の上に置いてあった。その時も何も抜かれてはいなかった。この街の人々は・・・。

しかし自分よ。暑さにぼーっとしたのかたるんどる!自分に喝を入れる次第である。