188 靴

なかなか気に入ったものは手放せないわけで。

前職から履き続けている靴。雑誌やウェブでリーボックがいいというのを知って買った黒い靴。確かに歩いていて心地よい。末広がりで甲高な俺の足にフィットしている。なんといってもクッションが良くて歩いていても踏み込んだ時の足の感覚がソフトなんだ。

あまりの履き心地の良さにそればかりとなる俺のこと、畑仕事にも履いて行ったりしたものだから傷みが激しい。土埃で白っぽくなってもいた。

おまけにこのところの激務でとうとう靴底が剥がれた。いくら履き心地が良いからといって底の剥がれている靴を履いていたのでは足の健康にもよろしくないということでメンテナンスに勤しむことにした。買い替えではなく修理することに。

用意したのは靴クリームと靴用接着剤。「もの」に関しては関心の薄い俺でもやる時にはきちんとやりたい。今までのご苦労様とこれからのよろしくの気持ちを込めて作業に取り掛かる。元には決して戻らないがまた履けるようになった。

もしもこの靴に気持ちというものがあったならどうなんだろうなと思いながら作業をした。

「もうそろそろお役御免にしてくれ」などと言うのかもしれないな。俺が履き心地が良いと思っているのも一方的で履かれ心地は最悪だったりしてwそもそもそんなになるまでそのままっていうのはどうよ!

相性がいいと思っていても靴の方では勘弁なのかもしれないなと思いながら・・・。

幸い靴には口がないからね。助かった。

まだまだ愛用させてもらうよ。