172 つられて短歌を詠む

マスターもすなる短歌というものを俺もしてみんとてするなり。

そうだなあ、夏至というものはもう過ぎて大分経つけれども昼が一番長い日という割には夏らしくない。それは梅雨の時期だからというもっともな理由があるのだがでも過ぎてしまうと何だか夏が一つ行ってしまった気になって物悲しくもある。(俺だけか?)

それはそうとマスターは短歌を詠むのを日課にしたらしい。時々は披露してくれるそれはなんとなく社会派を感じさせる向きがある。一緒に居合わせた客に恋歌を詠んだらと言われるがそんな気配は全くない。

行ってしまった夏至を思ったら俺も一首詠みたくなった。

拙作を恥ずかしげもなく披露。

往きて知り 憂しとぞ思う 夏至の日に 浮きつ沈みつ 人の言の葉