122 Sympathy

あ~、最近カラオケしてないな~。

俺はというと若い頃から熱唱型で口からマイクを離せと言われるほどだった。(最近はそれほどではないと思うのだが)

まだキー調整の機能などはなかったはずだからそのまま歌うと無理があるなと思い始めた頃、おとなしめに歌ってみた。すると、いつも厳しかった先輩が「その方がいいね」と評してくれた。

しばらく前、いつものバーで歌う時に何を心掛けているかとマスターに聞かれた。「いつも歌詞を伝えたいと思いながら歌っている」と答えた。

考えてみればそもそも歌を聴いているヤツはいるのかと思ってはいるんだが、それでも聴いているヤツに伝わればいい。共感してもらえればもっといい。ある歌をもとにそれこそ返歌ではないけれども何らかのレスポンスを含んだ歌を次に歌ってくれたらそりゃもうアガるだろうな。

だが先ほどの答えはある意味嘘でどうも抜けない癖がある。それは巧く歌おうとすること。普段おとなしめだ(った?)からそれが熱唱などして「お?!」となった遥か昔のことが忘れられないのかもしれない。

巧く歌おうとするよりも伝えようとすること。それを大事にしようと思い始めた今日この頃なのである。もちろん、聴いている人全員に、ではない。